照楠会 将棋入門「駒の動かし方を覚えよう3」

2013.05.08

駒の動かし方の最終回です。足軽、槍、騎兵、将軍、殿様が出てきました。最後はお待ちかね、ヒーローである飛車・角が登場します。将棋の中で最強の駒を縦横無尽に使いこなせるようになれば勝利に一歩近づきますよ!

 

角3

「角」「かく」です。「角行」と表記されることもあります。図を見てください。斜めのマスであればどこまででも行くことができます。初めのうちはこの角の効きを見落とすことが多いので注意しましょう。角は攻撃が大好きなヒーロー。敵陣まで一気に攻め込めます。でも攻撃が大好きなので隙も多い駒です。特に熱くなりすぎて目の前が見えなくなることがあるので注意しましょう。

 

飛車

飛車3

「飛車」「ひしゃ」と読みます。角とは違って縦横のラインならどこまででも行くことができます。非常に強力な駒で、この飛車をどのように使うかで戦法が大きく変わってきます。飛車は角よりも少し冷静。攻撃力も強いけれど実は防御もすごく上手いのです。攻守に優れたヒーローはみんなの人気者。攻撃ばかりで少し強面な角と良いバランスです。

 

成り駒

将棋には駒がパワーアップするルールがあります。それを「成る」と言います。下の図を見てください。

陣地2

先手番は七・八・九段目、青く塗ってある地点が自陣です。反対に一・二・三段目まで、黄色く塗ってある地点が敵陣となります。先手番から見て、三段目以降にたどりつくと「成って」パワーアップする駒があります。もちろん成らないことも選択できます。ただし一度成ってしまうと、元には戻せないので局面を見て成るか成らないかを判断するのも面白味の一つです。成り方は大きく分けて2グループ。「金」チームと「玉」チームです。

 

「金」チーム

このチームは、成ると「金」と全く同じ動きをします。「歩」「香」「桂」「銀」の四種類の駒が敵陣に入ると「金」と全く同じ動きをする事が出来るようになります。

 

「玉」チーム

馬3

龍3

図を見てください。「玉」チームは飛車と角です。角が「馬」に、飛車が「龍」に成りました。それぞれの元の駒の動きに「玉」の動きがプラスされましたね。こうなれば向かうところ敵なしです。角は敵陣で大暴れした後「やっぱり防御も大事だなぁ」と思ったのか、防御が非常に上手い駒になりました。反対に飛車は戦闘を経験して攻撃力が大幅アップです。「龍は敵陣に馬は自陣に」という格言もあるくらい、龍は攻撃・馬は防御に力を発揮してくれる成り駒です。

 

※敵陣に打った駒はすぐには成れない

将棋は獲得した相手の駒を自分の駒として利用できます。取った駒も、もちろん成ることは可能ですが注意が要ります。敵陣以外の地点に打った駒が敵陣に入れば「成り」。しかし敵陣にダイレクトに打った駒は、打った瞬間は成ることができません。打った後の自分の手番で、打った駒を1マスでも動かせば成ることができます。「角」を例に図で見てみましょう。

角成り基本図

(図は△7六歩打まで)

このような盤面になることがあるかわかりませんが、筆者が説明用に考えた図ですのでご了承ください。後手(図の上側)が入玉(自分の玉を相手陣地に侵入させること)を目指してきました。先手はそうはさせまいと、4筋三段目に持ち駒の角を「へいやっ!」と打った場面です。この瞬間は角は成れません。これを以前出てきた棋譜で表すと「▲4三角打」となります。こうして覚えると棋譜もだんだん覚えていきますね。

 

先手が指した手を▲、後手が指した手を△で表します。▲4三角を見て後手は7筋の六段目、金頭に歩を打ってきました(△7六歩打)。金を交換しようとの狙いでしょうか。先手は後手の金獲りを放置して、3筋四段目の金を獲りに行くと同時に馬に成れます(▲3四角成)。放置すると7六の歩が「と金」に成ってしまいます。しかし思い出してください。「馬は自陣に」でしたね。

 

図より△7六歩を角で獲りませんか?4筋三段目の角で7筋六段目の歩を獲ってみると(▲7六角成)、下図のように矢倉(囲いの名前:後に出てきます)に馬がいる鉄壁の防御になりますね。

角成り馬

これが敵陣に打ち込んだ駒が動いて成る例です。他の「金」チーム「玉」チームの駒も同様です。この例図の場合、先手は守りが堅いので角成りではなく△7六歩を7筋七段目の金で獲る手も考えられます。この場合の棋譜は、△7六歩と同じ場所に駒を指すので「同金」と表されます。棋譜もゆっくり覚えていきましょうね。

 

最後に

将棋は王様を捕まえるゲームです。どうやっても王様が捕まえられてしまうことを「詰む」と言います。下図を見てください。先手が龍を寄せて、後手は受けがなく仕方なく端に玉を寄せました。そこへとどめの金打ちです。もう後手玉は逃げられません。この状態を「詰み」と言います。次回にもう一度出てきますので覚えておいてくださいね。

詰み2

 

 

3回に渡って駒の動かし方を覚えてきました。これで盤と駒さえあれば、指していくことができます。次回は将棋のルール・反則について更新したいと思います。

 

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